「銀河鉄道の夜」 「銀河鉄道の夜」 「木偶の坊の戯言」 「烏の北斗七星」


宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」 抄


あっ、あそこの野原は

なんて綺麗なんだろう

みんな集まってるねえ

あそこが本当の天上なんだ

あっ、あそこにいるの僕のお母さんだよ




宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」抄


僕もうあんな大きな暗の中だって怖くない

きっとみんなの本当の幸いを探しに行く

どこまでも、どこまでも、僕たち一緒に進んでいこう





佐藤忠吉 「木偶の坊の戯言」


達夫よ

あの世とやらで

何処に向かって何処を歩いておるやら

無能な私たちは供養もせず

自分の加齢と共に

幼な子一人トボトボと

暗やみの中を行く姿を思いを致し

唯々弥陀の手に救われることを信じ祈るのみ





宮沢賢治 「烏の北斗七星」 抄


どうか憎むことのできない敵を殺さないでいいように

早くこの世界がなりますように

その為ならば

私の躰などは、何べん引き裂かれてもかまいません